この記事は2015年8月20日に投稿された記事を再編集したものです

離婚は子供に大きな影響をもたらします。お父さんかお母さんがある日突然家からいなくなり、片親での生活がはじまります。金銭的な変化もあるでしょう、暮らす家、通う学校などの変化も起こりうる離婚の影響。子供心にも勝手な親の行動を恨む気持ちにもなるでしょう。

そして、ある日一緒に暮らしているほうの親、もしくは別れている親の再婚があって、それによる影響も少なからず子供に起こるのです。ましてや離婚と再婚の間に時間がない場合は特にです。

そのときの子供の心へ与える影響ととは？どんなものがあるのでしょうか？良くも悪くも、子供の心に引き起こす影響を考えてみましょう。

離婚する時に与えてしまう子供への影響って？

離婚をすると父親、母親にも影響はありますが、離婚によって一番ダメージを受けるのは子供です。はたして両親の離婚が子供にとってはどんな影響をあたえるのでしょうか。

精神的に不安定になる

仲の良かった両親が突然離婚してしまったら、家族はバラバラになってしまいます。離れ離れになったことにより、心に負うダメージは計り知れないほど大きいです。

両親の愛情は子供の心身ともに大きな影響を与えます。愛情が与えられることによって「自分は愛されている存在」だと認識し、自尊心が芽生えて両親に対する愛情や信頼感を抱くようになります。

しかし、どちらか片方の親がいなくなってしまうと愛情が不十分であり、「自分は愛されていないんだ」と思うようになってしまいます。その不安がやがてストレスとなり、心にダメージを与えてしまうのです。そのため、情緒が不安定になってしまいます。

コミュニケーション能力の低下

どちらか片方の親がいなくなることで、もう片方の親がお金を稼がなくてはならなくなります。そうなると、親は働くのに忙しくなり、子供と話す機会が少なくなっていきます。そのため、子供は親とのコミュニケーションが取れないまま育っていってしまうのです。

コミュニケーション能力が乏しいままだと、学校でも友達がなかなかできずに孤独になってしまいます。さらに、コミュニケーション能力が乏しいと学力低下にも繋がっていくでしょう。

 依存症になりやすい

愛情を十分に受け取れないまま育つと、子供は誰かに愛情を求めようとします。そのために、異常なほど「愛」に執着するようになるのです。

やがてその衝動がセックス依存症などの依存症や、他人から愛されたいという承認欲求に繋がっていきます。

また、離婚によって親に不信感を抱き、反抗するようになることがあります。子供は親に反抗しようとタバコや酒・薬物などに手を出し、次第に依存していくという場合もあります。

再婚する時は子供にどんな影響があるの？

再婚は新しい家族を築くための第一歩。家族が増えて嬉しい！と思う子供もいれば、新しい家族に戸惑ってしまう子供もいます。再婚は子供にとってどのような影響があるのでしょうか。

新しい親に馴染めない

親が変わることは子供にとってもストレスになります。特に、新しい親にどう接すればいいのか分からないという子供が多くいるのではないでしょうか。

実の親には甘えることができても、新しい親にはなかなか馴染むことができないでしょう。親が変わると家庭内環境も変わっていくわけですから、余計にストレスが溜まります。

また、再婚すると子供は「実の親が再婚相手に取られた」と思うようになってしまい、再婚相手に対して強く反抗するようになります。親が変わることによって、子供の感情も変化してしまうのです。

疎外感による孤独

実の親と再婚相手の仲が良いと、子供はその輪に入ることができずに疎外感を抱くようになります。我が家に帰っても自分の居場所がなく、やがて孤独になってしまうのです。

再婚相手がどんなにいい人であっても、大きな壁があると感じる子供は多くいます。再婚相手と子供との壁がないような環境を作れば、きっと子供も懐くようになるでしょう。

再婚相手が子供にとって異性である場合

子供といえども、男女の違いはどうしてもあります。子供が年頃であれば余計でしょう。たとえば子供が女の子であった場合、父親とは違う他人の男性がいきなり家に入り込んできたとしたらその気持ちはどうでしょうか。

自分の父親にさえ反抗期を持つ女の子もいる中で、他人の大人の男性が、お母さんの再婚相手として突然現れるのは心穏やかではないはずです。

子供にとって異性の親は、ある意味理想の異性のモデルにもなるものです。男の子の場合、お母さんみたいな人、女の子の場合、お父さんみたいな人は、いつの時代も理想の相手像になるものです。離婚や再婚は少なからず子供の望むこととは違いますから、特に再婚は子供への配慮が必要です。

再婚がプラスになる場合も

再婚することは何もデメリットだけではありません。再婚がプラスに働くことだってありますよ。

今まで愛情を十分にもらえなかった子供からしたら、新しい家族ができることによって「愛されるようになるかもしれない」という期待感を持つようになるでしょう。子供に警戒されないように接すれば次第に再婚相手にも懐くようになるかもしれません。

最初は、親や家庭の環境が変わることによって子供は戸惑いやショックを感じるでしょう。時には実の親と再婚相手に対して反抗的な態度を取ることもあります。しかし、それも受け止めて前向きに子供と接するように努力すれば、少しづつ仲良くなるかもしれませんよ。

離婚や再婚をする時は子供の心のケアが必要

大人の都合によって家族がバラバラになったり、新しい家族が構成されたりと家庭の環境が変わることは、子供にとってストレスを与えてしまうことになります。

子供の心は繊細ですから、離婚や再婚をするには子供の心のケアをしていくことが大切になってきます。では、子供にはどのようなケアをするのが良いのでしょうか。

離婚の時の心のケア

離婚は夫婦間の仲が悪くなったことで起こります。しかし、夫婦関係が冷めて離れ離れになったとしても、子供にとっては「親」なのです。

そのため、たとえどんなに仲が悪くても子供の前では父親・母親双方の悪口を言わないようにしてください。それぞれの悪口を聞かされる子供はどんな気持ちになるでしょうか。

子供にとって良い父親・良い母親なのに、悪口を聞いたら「自分の親を否定された」と親に対して不信感を抱くようになってしまいます。ですから、子供の前では平然とした態度を取るようにしましょう。

また、離婚すると「自分も捨てられてしまう」「一人になってしまう」と孤独になることを恐れるようになります。そのため、離婚をしても子供には愛情を持って接するようにしましょう。離婚をして子供を手放す場合は、定期的に会いに行くのも良いかもしれませんね。

再婚の時の心のケア

今度は再婚する時の心のケアです。再婚して新しい家族を築くわけですが、その場合はどのようなケアが必要なのでしょうか。

再婚したら親が変わり、新しい親と生活を共にすることになります。ですが、いくら親といっても子供にとっては「赤の他人」と生活するようになるので、新しい親に対してとても気を遣います。我が家に帰ってきても、緊張感から安心して暮らせないのです。

そこで、その緊張を解すためには大人の方から子供に歩み寄ることが必要です。最初は慣れないために警戒されることもあるかもしれませんが、前向きに接することで次第と打ち解けるようになるでしょう。

また、「実の親が再婚相手に取られた」と思い込み、そこから再婚相手に対して嫉妬心が強くなることもあります。特に実の親との関係が良好なほど、この傾向が高いです。

嫉妬心をなくすためには、「再婚相手に取られた」というイメージを変えないといけません。そのためには、再婚相手が子供に「あなたの親になりたい」ということを伝えることが良いでしょう。

さらに、再婚相手が連れてきた子供や再婚相手との間にできた子供がいる場合は、その子供と区別はしないようにしてください。

他の子供達と比較されてしまうと、「自分はいらない子なんだ」と疎外感を感じてしまい、孤独になってしまいます。そのため、子供達は平等に接してあげてください。

子供のことを第一優先に

離婚や再婚は子供に大きな影響を与えてしまいます。それは精神的だけでなく、体にも影響を及ぼしてしまうのです。

子供のことを思って離婚や再婚をしたのでしょう。ですが、それが本当に子供が望んでいるものなのか、子供にとって良いことなのでしょうか。

もちろん、離婚や再婚には様々なケースがあります。しかし、子供のことを思うのであれば１度見直してみてはいかがでしょうか。もしそれでも離婚・再婚したいという場合は、子供にもちゃんとそのことを伝えてから、心の準備をするための期間を設けるといいでしょう。

先程も言いましたが、子供の心は感受性が高くて繊細です。その心を傷付けないように対処していきましょう。

まとめ

夫婦にとってはどうしようもないことで離婚に至ったとしても、子供から見れば親の勝手と思われるのは致し方ないでしょう。それだけ離婚が子供に与える心のダメ―ジは大きいのです。

ある日突然生活が一変する可能性もある両親の離婚。両親の離婚が子供の結婚概念に大きく影響することもあり得ることを承知しておかねばなりません。

そして再婚、思わぬ他人が自分の家に入ってくることは子供にとっても大きな変化です。子供の目を配慮して再婚相手との接し方にも注意することが必要です。新しいお父さん、お母さんといくら押し付けても、子供にとっての両親は二人だけしかいないのですから。

子供の気持ちを考えて、再婚の際には子供への相談も必要、もしあまり強く拒まれたなら再婚を急ぐのは止めるくらいの気持ちでいるべきでしょう。