DVが原因で別れたけど復縁したい人へ・成功の方法やリスクを解説
2020.07.02
DVの加害者であれ、被害者であれ、「DVが原因で別れたけど、またヨリを戻したい……」と復縁を願う人は少なくないでしょう。一度は愛し合った相手と再び一緒に歩みたいと願うのは、ある意味とても自然なことです。
しかし、別れの原因がDVであれば、他の原因よりも復縁が難しいとされています。加害者が心から反省していても、自分の意に反してDVを繰り返してしまう危険性もあるからです。
今回は、復縁を望んでいるDV加害者と被害者に向けて、成功する方法に加え、それに伴うリスクについてご紹介します。
DVが原因で別れた恋人と復縁したい…成功する可能性
幸せな恋人同士だったにもかかわらず、DVが原因で悲しい別れを迎えたカップル。DVの加害者側から恋人と復縁したいと願った場合、うまくいく方法はあるのでしょうか?また、成功の可能性はどれぐらいあるのでしょうか?さっそく見ていきましょう。
DV加害者がDV被害者と復縁を望む理由
DV加害者にとって、DV被害者が最愛の人であったことは確かです。それと同時に、そんな最愛の人の心や体を傷つけてしまったことも事実です。
残念ながら、DV加害者の中には、自分の罪の重さをわかっていない人も多くいます。だからこそ、「こんなにも愛しているのに、どうして別れることになったのか……?」ということを、なかなか理解できないケースもあります。
自分のすべてに応えてくれたDV被害者は、DV加害者にとってかけがえのない存在です。その存在の大きさは充分に理解しているので、DV加害者はDV被害者との復縁を望むのでしょう。
DV加害者とDV被害者の復縁が難しい理由
DV被害者にとってDV加害者の存在はとても恐ろしく、当時の記憶ごと消したいと思っているかもしれません。逆の立場になって考えてみれば、DVをした相手と再び一緒にいたいと思うでしょうか?
肉体的にも精神的にも、DV加害者が被害者に与えた恐怖は簡単に忘れられるものではないでしょう。だからこそ、一度離れてしまったDV被害者との復縁は困難です。
DV加害者がDV被害者と復縁できる可能性は?
DV被害者との復縁は、基本は無理だと思っておいた方がよいでしょう。どんなに愛し合っていたとしても、被害者はあなたの暴力から逃れ、新たな幸せを見つけるケースが多いのです。しかし、可能性が全くない訳ではありません。
実際、加害者更生プログラムなどを経て、再び被害者と恋人同士に戻ったカップルの例もあります。もし更生を望むのであれば、自分への甘えは一切許されません。強い気持ちをもって更生の道を歩み続けられた人だけが、復縁の願いを現実のものとできるでしょう。
DV加害者がDV被害者と復縁する方法
先述の通り、復縁にはDV加害者が自分の過ちを心から反省し、被害者からの信頼を得られるように努力することが重要です。
国内でのDV防止法では、更生プログラムの受講義務制度はないため、自主的に参加を希望する必要があります。専門家の力を借りながら、新しい自分へと変わっていかなければなりません。
また、DV被害者に復縁を迫るには、時間を空けることも重要です。何よりも大事なのは、相手への信頼をしっかりと取り戻すこと。それには、ある程度まとまった時間が必要です。
いくらDV被害者に会いたいからといって、急いで連絡を取ることは逆効果に繋がります。「結局は自分が一番大切で、自分のことしか考えていない……」と思われてしまい、復縁の可能性は低くなっていくでしょう。
DVが原因で離婚や別居…それでも復縁したいなら
一生を添い遂げると誓った夫婦でも、DV加害者と被害者の関係になってしまうと、一般的には別居や離婚となる場合が多いでしょう。
しかし、そこまで深刻な状況に陥っても、DV加害者から復縁を願うこともあるはずです。その場合、成功する方法はあるのでしょうか?その可能性と併せてご紹介します。
DV加害者が離婚や別居後も復縁を望む理由
恋人同士のケースと同様、DV加害者にとってDV被害者は、大きな存在であったことは事実です。たとえ短い間でも幸せな結婚生活があったことで、身に染みて感じていることでしょう。
さらに子どもがいた場合、その想いはより強いはずです。自分と血がつながっている唯一の存在である子どもと、自分の唯一の味方であったDV被害者。その存在の大切さは、離れてみて初めて実感したかもしれません。
DV加害者は、孤独を苦手とする人が多いとも言われています。その寂しさに耐えられないことも、復縁を望む理由の一つです。自分が1人になったことで、初めて自分の過ちに気付き、再び自分の元に帰ってきてほしいと願うのでしょう。
DV加害者が離婚や別居後に復縁が難しい理由
自分自身が傷ついた上、社会的にはもちろん、精神的にも経済的に苦しい人生を歩むことが多い離婚や別居。その原因はさまざまですが、DVの有無にかかわらず、復縁の道を選ぶには相当な覚悟が必要です。
特に子どもがいた場合、DV被害者が安心で安全な暮らしを最優先に考えれば、新しい人生を歩みたいと思うでしょう。また、婚姻関係を結んでいると、両親や親せきなど関わる人も増えます。そのため、お互いの気持ちだけでは復縁の道を選べないこともあるのです。
DV加害者が離婚や別居後に復縁する可能性は?
結婚をしたにもかかわらず、離婚や別居にまで至ってしまったのなら、復縁の可能性は相当低いと考えておいた方がよいでしょう。しかし、可能性はゼロではありません。
過去に婚姻関係にあった男女は、深い絆で結ばれたこともあったはずです。DV被害者側にしてみても、相手と幸せな家庭を作ることを信じたからこそ、結婚に踏み切ったのでしょう。
再び同じ家に暮らし、再婚する……というように、すべてをスムーズに進めることは難しいかもしれません。しかし、DV加害者が前向きに更生し、再び被害者や子どもと人生をやり直したいと願えば、復縁の道も開けていくでしょう。
DV加害者が離婚や別居後に復縁する方法
DV加害者が離婚や別居をした場合、自らの行為を反省する以上に「もとの暮らしに戻りたい」という気持ちが先行するケースが多いと言われています。それは、自分のDV行為が相手を苦しめていたと、心から理解できていない証拠ですね。
夫婦関係においては、その辺りが難しいところ。「DVの原因は自分だが、夫(妻)としての役目もしっかり果たしている」など、DV加害者側にも言い分があるうちは、復縁は厳しいと思っておいた方がよいでしょう。
まずは、専門家によるカウンセリングや更生プログラムを受講し、何よりもDV被害者のペースで復縁に向かっていくのがベストです。
それには、数ヶ月、数年と時間がかかることは覚悟をしておきましょう。常に相手のことを思いやり、二度と過ちを繰り返さないという強い意志をもつ人だけが、復縁の望みを叶えられます。
DVの被害者だったけど復縁したい人へ
次は、DV被害者の方に注目していきます。激しい暴力を受け、苦しい毎日を過ごしたにもかかわらず、DV加害者との復縁を望むのはなぜでしょうか?ここでは、DV被害者が加害者と復縁するために必要なこと、そのリスクなどを紹介します。
DV被害者がDV加害者との復縁を願うのはなぜ?
DV被害者にとってDV加害者は恐ろしい存在です。暴力を振るわれた瞬間は、とにかくこの場から逃げ出したいと思うかもしれません。しかしDV被害者の特徴として、相手に依存してしまうという傾向があります。
依存することでDV被害者の心の中に、「自分だけが相手を分かってあげられる」「自分が支えてあげなければいけない」などの歪んだ考えが生まれます。その考えが、再び相手の元へと戻りたいという気持ちを引き起こすようになるのです。
また、DV被害者の多くは、DVの責任は自分にあったという考えを持っている場合もあります。そのため、「次は怒られないように頑張ろう」と、安易に考えてしまうのです。さらに、支配されていたことを愛情だったと錯覚し、再び相手の元へ戻りたいと願うケースもあるでしょう。
DV被害者がDV加害者との復縁するために必要なこと
DVを受けていたとはいえ、一度は愛し合った相手ですから、すぐに忘れることはできないでしょう。できることなら元のような関係に戻り、幸せな時間を過ごしたいと願うのは当然のことです。
しかしDV加害者との復縁は、そのタイミングも含めてDV被害者のみで決定することはおすすめできません。なぜなら、DV被害者は冷静な判断をすることが難しいからです。まずは、専門家や身近な信頼できる人に相談し、DV加害者の状況を見てもらいましょう。
また、しばらくの間は2人だけで会うのは避けましょう。第三者を交えて会うことで、少しずつDV加害者の様子を見ていくことが重要です。その期間、少しでもDVの兆候が見られたら、復縁を進めるのは先延ばしにした方がよいと言えます。
それと同時に、DV被害者側も強い意志をもつことが大切です。常に相手の言いなりになるのではなく、明らかに相手が間違っていれば指摘をし、怒る勇気を持ちましょう。ただし、一方的に責めると逆効果にもなります。優しい気持ちも見せつつ、DV加害者が更生するのを見守ってください。
復縁することによって伴うリスク
DV加害者は一度更生したとしても、再びDVをしてしまう危険性があります。パートナーや恋人が同じ相手なら、その可能性はさらに高まるでしょう。そこには、相手への甘えはもちろん、過去に相手をコントロールしていたという自信も関係しています。
再びDVをされたことで、DV被害者の心や体は、以前よりも壊れてしまうことは目に見えています。また、周囲の反対を押し切って復縁後に失敗した場合、これまで力になってくれていた人を裏切る形にもなるでしょう。
復縁をするには、それらのリスクが伴うことをしっかりと理解しておいてくださいね。
まとめ
いかがだったでしょうか?DV加害者とDV被害者が復縁を望んでも、そこには厳しい問題や、越えなければいけない壁があることがわかりました。
しかし、復縁の可能性はゼロではありません。DV加害者もDV被害者も強い意志を持つことで、その可能性は高まります。復縁への道のりは厳しいことが多いかもしれませんが、それを乗り越えた先には、新たな幸せが待っているでしょう。まずは、DV加害者が罪を自覚し、しっかりと更生することが何より重要です。