バラにチューリップ、桜にカスミソウ……可愛らしいお花は見ているだけでも心が癒されますよね。そしてこのお花たち、実はそれぞれ「花言葉」と言われる言葉を持っているのをご存知ですか？

聞いたことがあるという人も、詳しく何の花にどんな言葉があると覚えている人は少ないのではないでしょうか。

今回はそんな花言葉の中でも特に「恋」の意味を持つ花を紹介します。

自分の恋に重ねてみたり、プレゼント選びの基準にしたり。また創作のアイディアにしてみたりするのもいいかもしれませんね。

【花言葉】「恋」の意味を持つ花：バラ

【花言葉】バラの花言葉は「愛情」「美」

花と言えばこれと思う人も多いバラ。男性からの認知度も高く、贈り物としての人気も高い花です。バラの花言葉は「愛情」「美」。まさに花の王者にふさわしい花言葉ですよね。

またバラには多くの色があり、実はその色ごとに違う花言葉が付いています。

まず一番よくみられる赤いバラ。これには「あなたを愛します」「情熱」「熱烈な恋」といったまさに恋する相手にうってつけの花言葉がついています。

次に清楚な印象が強い白いバラ。こちらは「純潔」「私はあなたにふさわしい」「深い尊敬」という意味が。

可愛らしい花をつけるピンクのバラは「可愛い人」「美しい少女」「愛の誓い」などの花言葉があり、大人の女性はもちろん可愛らしい女の子にあげるのにもいい色のバラです。

他にもオレンジのバラには「絆」「信頼」、コンキュサーレという品種で見られる緑のバラには「穏やか」「希望を持ち得る」という花言葉がついています。

【花言葉】バラについての物語

バラの歴史は古く、ギリシャ時代、古代ローマ時代にまでさかのぼります。

古くはギリシャ神話の女神アプロディーテーより。彼女は「愛」と「美」司る女神で、海の泡から生まれたといわれています。そのとき一緒に生まれたのが白いバラなのだそうです。

そのアプロディーテーはとても恋多き女神としても有名で、ある時美少年アドニスに恋をします。ですがその時恋人だった武神マルスがそれに嫉妬し、アドニスを地上に突き落としてしまいました。

アドニスを助けようとしたアプロディーテーは白いバラの茂みに入っていき、そのトゲで全身に傷を負ってしまいます。その時流れ出た血が白いバラを赤く染めた、これが赤いバラになったと言われています。

また一説にはマルスがアドニスを殺すために猪をけしかけ、彼の死を悲しんだアプロディーテーの涙が白いバラを赤く染め上げたというものもあります。

切なくも美しい恋物語が、バラの花言葉につながっているのでしょう。

【花言葉】12本のバラ、ダズンローズ

花束にも人気のバラ。ヨーロッパで有名な花束に「ダズンローズ」があります。

これは12本のバラを花束にしたもので、「感謝・誠実・幸福・信頼・希望・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠」という意味がそれぞれに込められています。

元々は男性が彼女にプロポーズするために12本のバラで花束をつくり、そのバラに誓いを立ててプロポーズをしたと言われています。女性は受け取った花束のうち一本を男性の胸元へと返しました。このバラこそが結婚式で新郎が身に着けるブートニアの由来になったそうです。

ヨーロッパではプロポーズや結婚記念日、バレンタインなどにこのダズンローズが多く見られます。

【花言葉】「恋」の意味を持つ花：チューリップ

【花言葉】チューリップの花言葉は「思いやり」「博愛」

こちらも人気の高いチューリップ。春先によく見かけるお花で、歓送迎会などの花束でもよくつかわれているのを見たことがあるという人も多いのでは。

またこちらも色ごとに違う花言葉が付けられており、赤いチューリップには「愛の告白」「真実の愛」という意味が込められています。特に女性に人気の高いピンクのチューリップには「愛の芽生え」「誠実な愛」という花言葉が。

少し珍しい色になると、オレンジ色のチューリップには「照れ屋」、黄色のチューリップには「望みのない恋」「名声」「正直」などの意味があります。黄色の花には不吉な意味の花言葉が多いので、贈り物にするときは注意が必要です。

白色のチューリップには「失われた愛」「新しい愛」、紫色のチューリップには「不滅の愛」という花言葉があり、時々見られる花弁にまだら模様があるものは「疑惑の愛」というちょっと複雑な花言葉も。

ちなみに非常に珍しいですが黒いチューリップというものもあります。これには「私を忘れてください」という少し悲しい花言葉がついています。

【花言葉】チューリップについての物語

チューリップについて書かれた物語がギリシャ神話にあります。

秋の神ヴェルツゥヌは美しい娘チューリップに恋をします。彼は色々チューリップに向けてアピールしますが、チューリップは幾度となくそれを断り、ヴェルツゥヌは失恋をしてしまいます。ですが懲りずに何度も言い寄ってくるヴェルツゥヌ。

困ったチューリップは女神神アルテミスに助けてくれるようにお願いします。その願いを聞いたアルテミスは彼女を美しい花の姿に変え、ヴェルツゥヌから逃がしたそうです。

この花がチューリップと呼ばれる由来となったと言われています。

【花言葉】本数で違う、チューリップ花束の意味とは

花束には使う花以外にも、その本数によって意味が変わってくることをご存じでしょうか。

１本だけをシンプルに包んだ花束には「あなたが運命の人」、３本だと「あなたを愛している」という意味になるそうです。

また８本になると「思いやりに感謝」、９本には「いつも一緒にいよう」という意味があり、夫婦の間や親しい人に感謝を伝える時などに使えそうですよね。

プロポーズに使うのであれば12本がおすすめ。「恋人（妻）になって」という意味があり、特にヨーロッパではよく知られている意味だそうです。

108本の花束にも「結婚してください」という意味がありますので、部屋に敷き詰めたりといった派手なプロポーズであれば、こちらでもいいかも。

ですが16本には「不安な愛」、17本には「絶望の愛」という意味があると言われ、贈り物には不向きなようです。

逆にこの本数の花束をもらったからといって、相手がそうした意味で渡しているかは早合点をしないように。本数の意味を知らずに送っている場合もあるため、あまり気しすぎない方がいいでしょう。

【花言葉】「恋」の意味を持つ花：スターチス

【花言葉】スターチスの花言葉は「変わらぬ心」「永遠に変わらない」

太く幅広の茎に小さな花が横向きに並ぶように咲くスターチス。

別名リモニウムとも呼ばれており、名前だけ聞くとピンとこないかもしれませんが、花束などでよく使われている花です。実物を見ると「これか！」と分かるのではないでしょうか。

紫やピンクといった綺麗な色を付けますが、実はこの花に見える部分は花ではなく、萼（がく）が発達したものとされています。そのため実際の花は、この色のついた萼の中につく小さい白いものがスターチスの花になります。

花言葉は「変わらぬ心」「永遠に変わらない」。プロポーズや愛の告白に最適ですね。

【花言葉】色ごとに違う花言葉が付いている

スターチスもその色ごとに違った花言葉が付いています。一般的な青紫のスターチスは「知識」という花言葉が付いています。また少し淡い紫になると「上品」という花言葉に。

ピンクのスターチスは「永久不変」、黄色のスターチスには「誠実」「愛の喜び」という花言葉が付いています。

【花言葉】ドライフラワーとしても楽しめる

スターチスは花束としてはもちろん、ドライフラワーにしても色が落ちにくい花として、楽しまれることが多いお花です。

花言葉の「変わらぬ心」「永遠に変わらない」といった言葉は、こうした長い間綺麗な形で楽しめるということに由来しているようです。

花束としてもらった後は、風通しの良いところに茎を縛ってさかさまにつるします。出来るだけ乾燥しやすい場所に干した方が、早く乾くため色も落ちにくいです。

大体二週間ほどでドライフラワーとして完成します。そのまま飾ってもいいですし、最近はやりのハーバリウムの素材にすると、更に長い時間楽しむことが出来ます。

【花言葉】「恋」の意味を持つ花５選！

【花言葉】「恋」の意味を持つ花１：アイリス

日本人であればあやめやカキツバタという名前の方が知られているかもしれません。紫の凛とした佇まいが美しいアイリスは、ギリシャ語の「イリス（虹）」が元になっていると言われています。

その花言葉は「恋のメッセージ」。虹が大地から空に向けてかかる姿が、それらのメッセンジャー的な役割を果たしていたからだと考えられています。

【花言葉】「恋」の意味を持つ花２：ハイビスカス

南国の花としてのイメージが強いハイビスカス。花言葉は「新しい恋」とされ、失恋した友達などにプレゼントしてみるのもいいお花かもしれません。

ちなみに耳にかけて髪飾りのようにする姿が印象的ですが、この時右の耳に掛けると未婚、左につけると既婚という意味があるそうです。

【花言葉】「恋」の意味を持つ花３：スミレ

小さく紫の花をつけるスミレ。パンジーなどもこの仲間で、目立たないけれど好きだという人も多いのではないでしょうか。

白のスミレの花言葉は「無邪気な恋」。変に着飾ったり格好つけたりすることのない、素朴な少女のような姿が目に浮かぶようですね。

【花言葉】「恋」の意味を持つ花４：ミモザ

黄色の小さな花をつけるミモザ。ミモザサラダの由来となっているように、黄色のぽんぽんとした花弁が特徴的です。黄色のミモザの花言葉は「秘密の恋」。

昔インディアンの若者が告白をするとき、無言でこのミモザを渡すということに由来しているそうです。

【花言葉】「恋」の意味を持つ花５：アスター

キク科の植物で多くの花弁をつける花です。夏から秋にかけて咲き、その色も沢山あります。

アスターの花言葉は「信じる恋」と言われ、恋の花占いでよく使われていたからだと言われています。好き、嫌いで花びらをちぎる花占い。一度はしてみたことがあるという人もいるのではないでしょうか。

まとめ

恋の花言葉をもつ花についてご紹介しました。

これ以外にもちょっと危険な恋や、失われた恋など、恋の意味を持つ花言葉はたくさんあります。

もし興味があるようであれば、一度調べてみると面白いかもしれませんね。