ピノ・ノワールとは?味の特徴を徹底解説!他の赤ワインとの違いは?合う料理15選も!
2021.02.24
ワインと言えば、ワイン好きな人にとってみれば相当詳しいけれど、そうでもない人にとっては、その時の気分だけで選んだりするものですよね。
でももう少しワインに詳しければ、ワインを注文するときにお料理との相性にこだわったり、逆に、「このお料理にはどのワインを選べばいいかな」と思ったときにも役立つはずです。是非参考にしてみてください。
ピノ・ノワールの味と他との違い
赤ワインに使用されるピノ・ノワールは、一体どのような秘密があるのでしょうか?高価な理由や品種の特徴などについて触れていきます。
ピノ・ノワールとは
ピノ・ノワールとは、ワインに使われる黒ブドウの一種。「ヴィティス・ヴィニフィラ」に属します。色は紫色で果皮は青く、白い実を付けます。
またの名を、「ピノ・ノワールデュブラン」といいます。高級品種としてひときわ崇拝され、希少価値の高いピノ・ノワール。
高価である理由としては、栽培の難しさが真っ先に挙げられます。果皮の薄いピノ・ノワールは、非常にデリケートな品種。加えて、病気にもかかりやすいという性質も持ちます。
加えてピノ・ノワールは、高温多湿である土地で栽培することが難しく、質のいいピノ・ノワールを造れる場所と生産地は、極めて少なく、限られています。
ピノ・ノワールは赤ワインの「ロマネコンティ」や「シャンベルタン」に使用されるほか、赤ワイン用の品種でありながら、シャンパンに使用されることもあります。
ピノ・ノワールの味の特徴
ピノ・ノワールはフランス/ブルゴーニュ地方のコート・ドール地域の品種で、ボルドーと共にフランスワインを支える存在です。
しかし、ブルゴーニュ地方の赤とボルドー地方の赤には違いがあります。ブルゴーニュの赤はピノ・ノワールの種のみで作られていて、ボルドーのものに比べて澄んだ赤色となめらかさで、ここにしかない味わいを出しています。
ブルゴーニュ産のピノ・ノワール種はカリフォルニアで作られているものとは比べものになりません。酸味も少なく、その繊細さは価格にも現れていますが、その選択は非常に難しいものとなっています。
価格では、2.500円~300.000円ほどの差があります。ピノ・ノワール種は栽培地で酸味やまろやかさに大きな違いがあるので、その差が出るわけです。
安いワインは美味しくないという人もいますが、一概には言えません。安いワインから徐々に舌慣れして、見分ける目を持つことも大事です。
ピノ・ノワールの原産地
栽培に適した土壌は、日当たりを好み、水はけのよい粘土混の石灰質が適しています。
◎フランス/ブルゴーニュ地方:ここで作られるワインは、ピノ・ノワール種のみで作られることで有名です。熟成を重ねるほど芳醇な魅力が増します。
◎フランス/シャンパーニュ地方:小野にモンターニュ・ド・ランスで作られ、シャンパンにブレンドされます。ブランド・ノワールの原料にもなります。
◎フランス/アルザス地方:赤ワイン用に栽培されます。
◎ドイツ:ドイツでは、シュペートブルグンダーと呼ばれ、シュペート=遅い、ブルグンダー=ブルゴーニュのもの、という意味で、ブルゴーニュ産の時間をかけて熟成されたもの、を現します。
◎アメリカ/オレゴン州:オレゴン州で栽培される黒ブドウの中で、一番多い品種です。ブルゴーニュ産のものより、酸味が少ないです。
◎その他:ニュージーランド、オーストラリア、チリなど。
フランスワインの主なぶどう種
◎カベルネ・ソーヴィニヨン:フランス/ボルドー地方産の、赤ワインのぶどう種の代表的な品種です。晩熟タイプで、良いカベルネ・ソーヴィニヨンほど熟成期間の長さに耐えることができます。熟成期間が長くなればなるほど、色も薄くなりまろやかな味わいになってきます。
◎メルロー:カベルネ・ソーヴィニヨンと同じく、フランス/ボルドー地方で作られます。カベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドが有名ですが、メルロー種単一のシャトー・ペトリュスもあります。酸味も薄く、なめらかな味わいになります。
◎ピノ・ノワール:カベルネ・ソーヴィニヨンと肩を並べフランスワインを支える、フランス/ブルゴーニュ産の種です。涼しい気候を好みます。うまく出来上がれば最高のワインになりますが、現実は難しいようです。酸味が引き締まり、余韻を楽しめます。
◎シャルドネ:カベルネ・ソーヴィニヨンは赤ワインのぶどう種の王様、シャルドネは白ワインのぶどう種の王様です。主にフランス/ブルゴーニュ地方で作られます。シャブリ地区のワインがとくに有名です。
育てやすいので世界各国で作られています。涼しい場所では酸味が強く、温かい場所では果実風味が強くなります。
ピノ・ノワールの熟成期間
醸造法によってテイストが大きく変化する品種として知られるピノ・ノワール。
果実そのものの味わいを残し、飲みやすさのあるワインにするためには、熟成期間を短くすることです。その方が渋みも少なく、フレッシュなぶどうの果実味を存分に味わえます。
熟成期間を長くすると、ワインならではの深みが出て、どっしりとした味わいになります。果実が酸味を増し、樽の香りがバランスよく絡み合い、飲むと包み込まれるようなワインの余韻が長く残ります。
熟成期間によって、味だけではなく香りも以下のように移り変わります。
第一アロマ(熟成期間が短い):ブドウ由来の香り
第二アロマ(熟成期間が中度):醸造過程で生成される香り
第三アロマ(熟成期間が長い):熟成過程で発する香り(ブーケ)
さらに、樽などに入れて空気に触れる環境で熟成させるのか、瓶に密閉して、空気を遮断して塾歳させるのかによって、味や風味、香りも変わってきます。
これに加え、果実に由来するアロマが、熟成により発達することで現れる果実味があり、これらを総合して「ブーケ」と呼ばれます。
気になる熟成の目安ですが、成熟度合を図るにしても、ピークを見極めるのは非常に難しいです。専門家の意見を取り入れながら様々なワインを試し、経験を積み重ねていくしかありません。
多くの場合は開栓しないと分からないことばかりで、ピーク化と思い開けてみたらまだ時期が早かったり、逆に遅くて本来の味わいにならないこともあります。
このことから、丁度いい熟成具合で、まさにピークであるワインに出会えるということは、奇跡に等しいといえるでしょう。
ピノ・ノワールに合う料理
ピノ・ノワールが味わえるワインには、どのような料理が合うのでしょうか?相性の良い料理が分かったら、ぜひ味わってみたいものです。
料理を選ぶときの注意
◎性質の似たもので選ぶ:白い肉には白ワイン、赤い肉には赤ワイン、中間色にはロゼワインを合わせるのもいいです。
◎補い合う性質で選ぶ:この選び方はなかなか難しいけれど、食品とは全く違う性質のワインを選んでも、結構うまくいきます。それが成功したときは、全く違ったもの同士が味や香りをかばい合っているからです。
冒険にも似ていますが、「まさか」というもの同士がマッチング成功になることも多々あります。
料理別にみるピノ・ノワールとの相性
◎ローストビーフ:中級以上の赤ワインが理想です。
◎ローストチキン:高級から安いものまで赤ワイン全てに平均的に合います。
◎鴨のロースト:高級から安い赤ワイン全てに合います。白ワインにも合います。
◎仔羊を香草でローストした料理:すべての赤ワインと合いますが、特に安い赤ワインが合います。
◎仔羊のロースト(ハーブ仕立て無):中級以上の赤ワインが合いますが、特に高級赤ワインの方が合います。
◎ステーキサラダ:安い赤ワインが最高に合います。
◎牛のタンシチュー:高級赤ワインより、中級以下の赤ワインの方が合います。
◎ジンギスカン:高級赤ワインより、中級以下の赤ワインの方が合います。
◎ロールキャベツ(牛肉と豚肉両方共):高級赤ワインより、中級以下の赤ワインの方が合います。
◎アスパラの牛肉巻き:高級赤ワインより、中級以下の赤ワインの方が合います。
◎鶏肉とハーブとパン粉焼き:高級から安いものまで赤ワイン、白ワインのどちらにも平均的に合います。
◎鴨の治部煮:高級赤ワインより、どちらかというと中級以下の赤ワイン、白ワインに合います。
◎マグロのカルパッチョ:高級赤ワインより、どちらかというと中級以下の赤ワイン、白ワインに合います。
◎白身の魚のカルパッチョ:高級赤ワインより、どちらかというと中級以下の赤ワイン、白ワインに合います。
◎マグロとタルタルソースの料理:高級赤ワインより、どちらかというと中級以下の赤ワイン、白ワインに合います。
◎イクラの醤油漬け:高級赤ワインより、どちらかというと中級以下の赤ワイン、白ワインに合います。
◎スモークサーモン:どちらかというと安い赤ワイン、白ワインに合います。
◎魚のから揚げと野菜のあんかけ料理:どちらかというと安い赤ワイン、白ワインに合います。
◎寿司(マグロのトロ、ぶり、アジ他):中級以上の赤ワインが理想です。
◎牛すき焼き:高級赤ワインより、中級以下の赤ワインの方が合います。
◎ウナギのかば焼き:高級赤ワインより、中級以下の赤ワインの方が合います。
◎牛しゃぶ:高級赤ワインより、中級以下の赤ワインの方が合います。
◎馬刺し:高級赤ワインより、中級以下の赤ワインの方が合います。
◎カツオのタタキ:どちらかというと安い赤ワインの方が合います。
◎キムチ、辛子明太子:どちらかというと安い赤ワインの方が合います。
◎山かけ料理:どちらかというと安い赤ワインの方が合います。
◎ぶり、さわらの照り焼き:どちらかというと安い赤ワインの方が合います。
◎サバの味噌煮:どちらかというと安い赤ワインの方が合います。
赤・白・ロゼのミニ知識
◎赤ワイン:黒ブドウを使います。黒ブドウを潰し、果汁・果皮・種子を一緒に発酵させて作ります。その結果キレイな赤色が出て、種子・果皮も入れているため、赤ワイン独特の渋みが出てきます。
◎白ワイン:白ブドウを使います。赤ワインと違って、白ブドウを絞り、果汁のみを発酵させて作ります。そのため白ワインには渋みはありません。
◎ロゼワイン:赤ワインと白ワインの中間と言えます。作り方も様々で、黒ブドウだけで作ったり、黒ブドウと白ブドウを混ぜて作ったり、また、果汁のみで作ったり、果皮や種子を入れて作ったりします。
味の見分け方や覚え方は、単純に、白ワインに渋みを加えると赤ワイン、ということになります。
ロゼワインは赤ワインと白ワインの中間ですが、味はどちらかというと白ワインに近いです。見た目はそのままで、赤ワインと白ワインの中間の、淡い赤色が多いです。中には濃い赤のロゼワインも存在します。
まとめ
いかがでしたか?これだけ知っていれば、とっさの時のワインのあるシーンで役に立つかもしれませんね。
今までお酒と言えばビールや日本酒に決めていた方も、ワインを気軽に楽しんでみませんか?リーズナブルなものから高価なものまで、その理由も様々。ワインの出生地や香り、味の違い……知れば知るほど、味わってみたくなりますね。