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【花言葉】狂気の意味を持つ花一覧を紹介!ヤンデレ、メンヘラ、復讐、嫉妬など

    花言葉と聞くと、どんなイメージが湧くでしょうか?愛の告白だったり、感謝の気持ちだったり、どちらかというと花言葉に対してポジティブなイメージを持っている人が多いと思います。

    しかし花の中には、人に贈るのはまずいのでは?とも思えるような花言葉を持つ花があるのです。そしてそれは特別な花ではなく、私たちにとって身近な花であることがほとんど。

    今回はそんな狂気的な意味の花言葉を持った花々をご紹介いたします。

    【花言葉】狂気を感じる花言葉!ヤンデレ・メンヘラな恋愛編

    リンドウ

    青紫の花が美しい秋の花リンドウ。漢字では竜肝と書き、英語ではGentianと呼ばれます。竜胆という名前は味が肝のように苦いことから由来し、古くから漢方薬としても使われる植物です。花の最盛期は9月で、11月ごろまで咲く正に秋の代表的な花です。

    そんなリンドウの花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」。受け取り方にもよりますが、ほんのりと狂気的なものを感じる花言葉です。この花言葉はリンドウが1本ずつ咲く姿と、深い悲しみを想像させる青紫の花の色にちなみます。

    リンドウが誕生花とされているのは8月31日、9月16日、10月20日と、こちらも季節は初秋から秋の盛りとなっています。

    古くから日本人に親しまれるリンドウの花は古い和歌の題材としても使われており、あの有名な枕草子の一節にも取り上げられています。

    「りんだう(リンドウ)は枝ざしなどもむつかしけれど、こと花どものみな霜枯れたるに、いとはなやかなる色あひにてさし出でたる、いとをかし。」

    出典:枕草子/清少納言

    日ごとに寂しさを増す景色の中で、青紫の色鮮やかな花を咲かせるリンドウを褒めたたえた一節となっています。

    アネモネ

    春になると鮮やかな色の花を咲かせるアネモネは、切り花以外にガーデニングや寄せ植えなどでも人気のある花です。和名では牡丹一華(ボタンイチゲ)、紅花翁草(ベニバナオキナグサ)とも呼ばれ、また英語ではWindflowerとも呼ばれます。

    暖かな春を感じさせるアネモネですが、実はとても悲しい花言葉を持つ花です。

    アネモネ全般の花言葉は「はかない恋」や「恋の苦しみ」、そして「見捨てられた」「見放された」となっています。特に「見捨てられた」「見放された」という花言葉からは、恨みがましい印象も感じられますね。

    色別の花言葉は赤が「君を愛す」、白が「真実」「希望」、紫が「あなたを信じて待つ」です。恋愛にまつわる花言葉がほとんどのアネモネですが、アネモネ全般の花言葉と重ねると幸せな恋というよりも叶わぬ恋といった雰囲気を感じさせます。

    アネモネがそんな悲しい、また失った恋への執着ともとれるような花言葉を持つようになったのは、神話に伝わるアネモネの悲しい伝説が由来です。

    アネモネは元々は花と春の女神の娘で、西風の神に愛される美しい少女でした。しかし西風の神が自分のことを愛していると誤解していた母の怒りを買い、アネモネは追放されてしまいます。

    アネモネと愛し合っていた西風の神ですが、花と春の女神との争いを避けるためにアネモネを見捨て、彼女は花へと姿を変えられてしまいました。この愛する人に見捨てられた少女の伝説から、アネモネは悲しい花言葉を背負うこととなったのです。

    アネモネは春に花を咲かせる花で、最盛期は4月です。そして1月22日、3月12日、3月13日、4月6日、そして白いアネモネは4月2日、赤いアネモネが4月4日の誕生花となっています。

    春を告げるアネモネの花が登場する詩の一節をご紹介しましょう。

    「アネモネとおだまき草が 芽を吹いた 愁いが 愛と蔑みのあいだで 眠っている庭に」

    出典:クロチルド『アルコール』/ギョーム・アポリネール(フランスの詩人・小説家・芸術家)

    ギョーム・アポリネールはフランスで活躍したイタリア出身のポーランド人の詩人・芸術家です。この詩の美しくきらめきながらもどこかアンニュイな雰囲気は、まるでアネモネのイメージそのもののようです。

    ゼラニウム

    色とりどりのかわいらしい花を咲かせるゼラニウムは、メインの花言葉以外にも花色によって様々な花言葉を持っています。ゼラニウム全般の花言葉は「信頼」「尊敬」「真の友情」です。

    そして色別の花言葉は赤が「君ありて幸福」、ピンクが「決心」「決意」など、前向きな意味の花言葉となっていますが、白いゼラニウムには「私はあなたの愛を信じない」、深紅のゼラニウムには「憂鬱」というネガティブな花言葉があります。

    特に「私はあなたの愛を信じない」という花言葉には、愛されることに飢えているような、どこかメンヘラっぽい雰囲気を感じてしまいますよね。

    白いゼラニウムの花言葉の由来は詳細不明ですが、深紅のゼラニウムの「憂鬱」という花言葉は、ゼラニウムが放つ青臭い匂いにちなんでいると言われています。

    ゼラニウムは英語ではそのままGeranium、和名では天竺葵と呼ばれます。天竺は「外国産の」、葵はゼラニウムの葉がアオイの葉に似ていることにちなみます。

    開花時期は5月から9月で、4月3日、4月24日、5月26日、6月28日、7月27日、8月11日の誕生花となっています。

    そんなゼラニウムが登場する切ない失恋ソングの一節をご紹介します。

    「いたわりを忘れたの 枯れそうなゼラニウム ねえ はかないものね幸せなんて」

    出典:YOU’RE SO FAR AWAY/作詞:竜真知子 作曲:ヘンリー広瀬

    忘れられない恋人への気持ちを高橋真梨子さんが切なく歌い上げるバラードです。過去の思い出に浸って思いきり泣きたい時におすすめの1曲となっています。

    サザンカ

    凍えるような冬に心を和ませてくれるサザンカ。日本や中国原産の植物で漢字では山茶花と書き、英語ではSasanquaと呼ばれます。その花言葉は「困難に打ち勝つ」「ひたむき」といった、植物にとって厳しい季節に健気に花を咲かせるサザンカの姿を言葉に映したものとなっています。

    しかしサザンカにも色別の花言葉があり、赤いサザンカには「あなたがもっとも美しい」「謙譲」、白いサザンカには「愛嬌」「あなたは私の愛を退ける」、ピンクのサザンカには「永遠の愛」という花言葉がそれぞれ充てられています。

    「あなたは私の愛を退ける」という花言葉がなかなかやっかいな印象ですが、「永遠の愛」という花言葉も受け取る方の感情によっては手放しで喜べない印象です。

    ピンクのサザンカの「永遠の愛」という花言葉は、他の花々が枯れても寒さの中で咲き続ける姿から由来するといわれます。

    サザンカは11月から12月に花を咲かせます。そのためか赤いサザンカは11月16日、サザンカ全般は12月4日の誕生花となっています。

    そんなひたむきに咲くサザンカが出てくる短歌をご紹介いたします。

    「髪をすく 汝(な)がゆびさきの うす赤み おびて冬きぬ さざん花の咲く」

    出典:『陰影』より/前田夕暮(日本の歌人)

    現代の言葉で言えば、髪を梳かすあなたの指先がほんのり赤味を帯びている。そんな冬の冷たさを知らせるように、庭には薄赤色のサザンカが咲いている、というような意味となっています。

    冬のひんやりとした空気とサザンカの美しさ、そして親しみを込めて汝と呼ぶ女性への気持ちが31文字の言葉の中に込められた、美しい1首です。

    アイビー

    アイビーと聞くと観葉植物のイメージが強く、花を想像する方は少ないかもしれませんが、9月から12月ごろに黄緑色の控えめな花を咲かせる植物です。誕生花としては1月21日のものとなっています。

    品種改良によって様々な種類が作られ、またその独特な葉の形が人気のアイビーの花言葉は「永遠の愛」「友情」「不滅」「結婚」「誠実」となっており、ウェディングブーケの花材としても好まれています。

    しかしアイビーにはもう1つ、背筋が寒くなるような花言葉があります。それは「死んでも離れない」というものです。

    アイビーは家の壁や他の樹木などに絡みついて成長する植物です。一度他者に絡まるとしがみついてなかなか離れないその姿から、そのような花言葉がつけられたと言われます。

    アイビーは和名では西洋木蔦と呼ばれ、イングリッシュアイビーやヘデラとも呼ばれます。英語ではEnglish ivyやIvy、またCommon ivyと呼ばれることもあります。

    怖い花言葉とは裏腹におしゃれな雰囲気のあるアイビー。そんなアイビーの名がタイトルに付けられた曲の一節をご紹介しましょう。

    「タイムとセージとローズマリーのフレイバー お茶の合間に 君の未来を話しているんだ

    Embassyの裏庭のアイビー ああ 君は つまづいて転んで偶然見つけたクローバー 運命の鍵さ」

    出典:アイビー/作詞 馬場俊英 作曲 馬場俊英

    この曲はシンガーソングライターの馬場俊英さんが2006年に発売された「人生という名の列車」というアルバムに収録されている曲です。10年以上経った今でも色褪せない1曲なので、ぜひ聞いてみてくださいね。

    スイセン

    冬から春にかけて花を咲かせるスイセンの花には、その清楚な姿からはあまり想像できない「うぬぼれ」「自己愛」という花言葉があります。

    それは水面に映った自分に恋をして命を落とした美少年ナルキッソスの神話から由来しており、スイセンの英名Narcissusもナルキッソスにちなんでいます。自己陶酔型の人を指すナルシストという言葉の語源もナルキッソスの名に由来するものです。

    またスイセンには種類別と色別の花言葉があります。それはラッパズイセンの「報われぬ恋」と、黄色いスイセンの「もう一度愛してほしい」「私のもとに帰って」という、報われない思いに苦しむ心を表現したものです。

    その由来となったのは、ギリシア神話の冥界の王ハーデスの妻ペルセポネーの伝説です。

    豊穣の女神デメテルの娘であるペルセポネーは、冥界の王ハーデスに一目惚れされてしまい、死の国に連れ去られてしまいます。ペルセポネーが連れ去られた時にその手から落ちたスイセンは、後に黄色い花を咲かせたといいます。

    娘をさらわれたデメテルの怒りと悲しみから、黄色いスイセンには「私のもとへ帰って」という花言葉がつけられました。

    また「報われぬ恋」は結局ペルセポネーの愛を手に入れられなかったハーデスの恋心に由来するものといわれます。

    スイセンは和名で水仙と表記され、冬から春にかけてが花の時期です。雪の中でも花を咲かせることから雪中花とも呼ばれます。

    誕生花としては1月2日、1月3日、1月4日、1月13日、1月16日、2月9日、2月16日、3月1日、4月3日のものとなっています。

    凛とした姿が美しいスイセンの花は冬の季語で、有名な松尾芭蕉の句にもしばしば詠まれています。そのうちの1句がこちらです。

    「其のにほひ 桃より白し 水仙花」 松尾 芭蕉

    スイセンの清廉な佇まいと、古くから親しまれてきたことを感じられる句です。

    ちなみに花の咲く時期になるとそこかしこで見かけるスイセンですが、実は強い毒性を持つ有毒植物です。毎年誤食による中毒者が出ていますので、うっかり食べてしまうことがないように気を付けましょう。

    トリカブト

    日本に自生する有毒植物として有名なトリカブト。漢字では鳥兜と書き、別名兜菊とも呼ばれます。猛毒のイメージが強くその名前を聞いただけで物騒なものを感じさせますが、花言葉の怖さもなかなかのものです。

    トリカブトの花言葉は「騎士道」「栄光」「厭世家」「人嫌い」、そして「復讐」「死」、きわめつけが「あなたは私に死を与えた」というものです。

    トリカブトは英語でもMonkshood(修道士の頭巾)、またはHelmet flower(カブト花)と呼ばれ、「厭世家」「人嫌い」の花言葉は修道士に、「騎士道」「栄光」という花言葉はカブトにそれぞれ由来します。狼をも殺すほどの毒を持つといわれ、Wolfsbainという呼び名もあります。

    そして「復讐」「死」「あなたは私に死を与えた」の花言葉はその強い毒性にちなんだものです。ギリシア神話では、トリカブトは地獄の番犬ケルベロスの唾液の跡から生まれた植物とされています。

    夏に花をつけるトリカブトは、7月19日と7月25日の誕生花です。恐ろしい毒性とは似つかわしくない不思議で愛らしく、美しい青色の花を咲かせます。また弱毒加工されたトリカブトは漢方薬としても使われます。

    ちなみに有名な狂言の演目の題名でも知られる「附子(ぶす)」は、トリカブトの毒のことを指しています。

    トリカブトが登場する詩を1つご紹介しましょう。

    「誇り高げに生いし草 その葉は青く 美しく 医学に知らるるトリカブト

    この毒草の地下の根は 神の手ずから植えしもの 人を惑わすこと多く 墓場にまでも導きて 黄泉の臥床に送り込む」

    出典:シベリアの旅 サハリン島/チェーホフ(ロシアの劇作家・小説家)」

    この詩はロシアの流刑囚が作った詩です。当時のロシアの流刑囚は絶望により、トリカブトをあおって命を絶とうとする者も少なくなかったと言われます。

    アンスリウム

    光沢のあるハート型の花がユニークなアンスリウムは、観葉植物としても人気のある花です。花言葉もその花の形と熱帯植物らしい鮮やかな色に由来したものが多く、アンスリウム全般の花言葉は「恋に悶える心」「煩悩」、そして色別の花言葉は赤が「情熱」、白が「熱心」、ピンクが「飾らない美しさ」です。

    ハートの形をしていることから風水でも恋愛運アップに効果的な花と言われていますが、「恋に悶える心」と聞くと暴走気味の恋心を想像してしまいます。

    アンスリウムという呼び名は英名のAnthuriumをそのまま読んだもので、読み方によってはアンセリウムやアンスリュームとも呼ばれます。和名は大紅団扇で、その花の形が団扇のように見えることに由来します。また英語ではTailflowerやFlamingo flowerとも呼ばれます。

    開花時期は5月から10月、特に6月から8月の夏に盛りを迎える花で、1月22日、3月17日、7月29日、8月8日、8月25日、12月1日の誕生花となっています。花持ちがよく、開花から2週間程度花を楽しむことができます。

    アンスリウムがタイトルとなっている曲の1フレーズをご紹介しましょう。

    「赤く咲かせたねアンセリウム 「1人じゃきっと枯らすかもね…」

    僕が僕で居られた理由は いつもやさしい君の眼差しだった」

    出典:アンセリウム/作詞:TAKE 作曲:都志見隆

    2007年に発売されたSkoop On Somebodyの32枚目のシングル曲です。切ない歌詞と優しい曲調がすてきな曲なので、センチメンタルな気分に浸りたい時にはぜひ聞いてみてくださいね。

    【花言葉】狂気を感じる花言葉!ホラー編

    クロユリ

    クロユリは漢字で黒百合と表記し、英語ではKamchatka lily、またはKamchatka fritillaryと呼ばれます。

    ユリの名を持つ植物ですがそれは花の形がユリに似ていることに由来するもので、一般的なユリがユリ科ユリ属であることに対し、クロユリはユリ科ではありますがバイモ属の高山植物です。

    黒っぽい紫色の花は悪臭を放つため、skunk lilyやdirty diaper(汚いオムツ)という不名誉な別名を持つ花でもあります。

    そんなクセの強いクロユリですが花言葉もまた強烈で、「恋」と「呪い」という2つの意味を持つ花です。

    数多ある植物の中で唯一「呪い」という花言葉を持つクロユリですが、それは日本に伝わる黒百合伝説に由来するものです。

    時の戦国武将、佐々成政にはさゆりという名の美しい側室がいました。さゆりはやがて妊娠しますが、その子はさゆりが成政の家臣と密通して身籠った不義の子という噂が流れてしまいます。その噂を耳にした成政は激昂し、怒りの赴くままにさゆりを処刑してしまいます。

    無実の罪で斬首されるさゆりは、今際の際に「立山にクロユリが咲いたら、佐々家は滅びるでしょう」という呪いの予言を遺しました。佐々家はその後さゆりの予言通りに滅亡したため、人々はさゆりの呪いが成就したのだと噂するようになったのです。

    クロユリは初夏から夏の盛りに花を咲かせます。フラワーショップなどに置かれることはほとんどありませんが、山登りをする人なら目にすることもあるでしょう。誕生花としては8月12日と9月7日のものとなっています。

    クロユリのおどろおどろしいイメージにぴったりの、人間椅子の「黒百合日記」という曲がありますので、その歌詞の一部をご紹介します。

    「花びら千切って 祈るのが恋 押し花こさえて 託すのが夢

    黒百合の花言葉 恋しゅうて 呪います

    黒百合の日記帳 苦しゅうて 綴ります」

    出典:黒百合日記/作詞:和嶋慎治 作曲:和嶋慎治

    重々しい曲調ながら、歌詞の美しい言葉選びにも注目して聞いてほしい1曲です。

    アザミ

    軽く触れるだけでもチクチクと痛いアザミの花言葉は、「報復」「独立」「厳格」「私に触れないで」。アザミの特徴は葉やつぼみを守るように生えている鋭いトゲで、花言葉もそのトゲに由来するものが多くなっています。

    中でも「報復」という花言葉には恐ろしい雰囲気を感じてしまいますが、これはスコットランドに伝わるお話が由来となっている花言葉です。

    かつてノルウェー軍がスコットランドに攻めてきた時のことです。ノルウェー兵は夜襲をかけるため、足音を立てないように靴を脱ぎ、はだしになっていました。しかし暗闇で足もとがよく見えないところでアザミのトゲを踏みつけてしまい、痛みのあまり思わず叫んでしまいます。

    その声を聴いて敵の接近に気付いたスコットランド軍は、無事に夜襲を回避し敵を撃退できたといいます。そして国を救ってくれたアザミは、スコットランドの標章と国家として扱われるようになったといわれます。

    アザミは春から夏にかけて花を咲かせます。誕生花としては3月19日、4月19日、9月18日、10月21日のものとなっています。

    和名は野薊、別名ドイツ薊と呼ばれ、英語ではJapaenese thistleと呼ばれる日本原産の花です。ただしアザミの仲間は世界中に250種類以上もあり、世界中の様々な神話や物語にアザミの仲間が登場します。

    アザミの花にまつわる名言として、ある和歌をご紹介しましょう。

    「アザミ草 その身の針を 知らずして 花と思いし 今のいままで」

    こちらは作者不詳の歌ですが、可憐な花を咲かせるアザミが実は鋭いトゲを持っているように、人も自分では知らず知らずのうちに誰かに対してトゲのある態度や発言をしてしまっているものだ、ということを説いています。

    無意識に誰かをトゲで傷付けてその報復を受けないように、気を付けたいものですね。

    オトギリソウ

    オトギリソウという植物は、まずその名前からして物騒です。オトギリソウは漢字で「弟切草」と書きます。そして花言葉は「敵意」「恨み」「秘密」「迷信」と、これまた良くない響きの言葉ばかりです。

    オトギリソウの名前の由来、そして「秘密」「恨み」という花言葉の由来となった物語をご紹介しましょう。

    時は1000年以上も昔、花山天皇の時代に晴頼という名の優秀な鷹匠(鷹狩に使う鷹を扱う職業)がいました。晴頼は鷹がケガを負うとある薬草を用いて傷をあっという間に治していましたが、その薬草が何という草なのかを他の鷹匠が聞いても、絶対に教えようとしませんでした。

    しかし彼の弟がうっかりその秘密を他の人にもらしてしまい、怒り狂った晴頼は弟を斬り殺してしまいます。そして晴頼が秘密にしていたその薬草が、弟切草と呼ばれるようになったと言われています。

    オトギリソウの葉には特徴的な黒点があるのですが、それは弟が兄に斬り殺された時に飛び散った血しぶきだとも言われています。

    また薬草として使われたことから、別名は鷹の傷薬や血止め草と呼ばれています。英語では同族のセイヨウオトギリがSt. John’s wortと呼ばれます。

    開花時期は7月から8月ごろで、黄色の小さなかわいらしい花を咲かせます。6月24日、11月19日の誕生花です。

    弟切草と聞くと、一部の人はこの名前をタイトルにしたサウンドノベルゲームを思い浮かべるかもしれません。またそのゲームを原作にした映画も制作されているので、興味が湧いた方はぜひチェックしてみてください。

    ロベリア

    ロベリアはガーデニングに用いる花として人気がある花で、青やピンクなどの色鮮やかな小さな花が株全体を覆うようにして咲き、庭先を華やかに彩ってくれます。

    しかしそんなかわいらしいロベリアですが、花言葉は意外なものが多くなっています。ロベリアの花言葉は「謙遜」「いつも愛らしい」、そして「悪意」「悪質」「傲慢」「嫌悪」です。また色別に青いロベリアには「謙遜の美徳」「拒絶」、白いロベリアには「奥ゆかしい態度」「嫌い」という花言葉があります。

    ロベリアが持つ悪い意味の花言葉は、ロベリアの根に毒があることにちなみます。間違って食べると命に関わることもあるため、戒めのために付けられた花言葉とも言われます。

    和名は瑠璃溝隠(ルリミゾカクシ)、または瑠璃蝶草や瑠璃蝶々というかわいらしい名前でも呼ばれます。英語では単にLobeliaと呼ばれますが、Edging LobeliaやGarden Lobeliaと呼ばれることもあります。

    開花期は5月から6月で、7月5日と10月30日の誕生花となっています。

    そんなロベリアが歌詞に登場する1曲をご紹介します。

    「行先は今日から冷たく 跡はないなら笑っていて

    そう、愛を捨てられたら 遠くへ願う ロベリア」

    出典:the sun/作詞:清春 作曲:清春

    とても華やかでかっこいい曲なので、機会があればぜひ聞いてみてください。

    フキノトウ

    食卓に春を感じさせる山菜として有名なフキノトウは、煮物などに使われるフキの花のつぼみです。花というよりも食材のイメージが強いフキノトウにも、花言葉がちゃんとあります。

    フキノトウの花言葉は「待望」「仲間」「愛嬌」、そして「処罰は行わなければならない」です。前半の3つは残雪の中から一斉に顔をのぞかせたり、ころんとした愛らしいフキノトウの姿にぴったりの花言葉ですが、突然怖い花言葉が出てきます。

    フキノトウの恐ろしい花言葉の由来は、フキノトウの根に毒があることに由来するといわれます。その毒は別名フキノトキシンと呼ばれており、そのような毒があることから、処罰という言葉に結び付いたようです。

    フキは日本原産の植物です。フキノトウは漢字では蕗の薹と表記され、蕗の姑や雪割草という別名でも呼ばれます。英語ではedible flower bud of the fuki plants(フキのつぼみの食用花)などと呼ばれるようです。

    2月から3月ごろに地面から顔をのぞかせ、花が咲く前のものを収穫して食用にすることが多いです。また2月16日の誕生花でもあります。

    フキノトウは春の季語なので、多くの俳句の題材にも用いられています。その中から1句をご紹介しましょう。

    「莟(つぼみ)とは なれ(汝)もしらずよ 蕗のとう」 与謝 蕪村

    江戸時代以前からフキノトウがフキとはまた別格の山菜として好まれていたことを感じさせる1句です。

    ホオズキ

    提灯のような独特な実をつけるホオズキは、漢字では鬼灯や酸漿と書かれ、またその赤い実が大蛇の目を彷彿とさせることから昔は輝血(カガチ=ヤマタノオロチの目のこと)と呼ばれていました。

    英語ではWinter cherryやGround cherry、Chinese lanternとも呼ばれます。

    名前だけも怪談っぽい雰囲気を感じさせるホオズキ。その花言葉は「心の平安」「偽り」「欺瞞」です。「偽り」「欺瞞」はホオズキの果実が大きく見えるのに中身が皮と種だけで、見かけによらないことに由来します。

    ホオズキは食用のものもありますが、その品種以外のものには毒性があり、生薬としても使われます。江戸時代には遊女の堕胎薬として使われていた過去もあるのです。

    実の印象が強いホオズキですが、初夏に小さな白い花を咲かせます。そして7月8日と12月29日の誕生花となっています。花よりも実を観賞用とし、俳句でも実の印象の方が強いため、秋の季語とされています。

    ホオズキに関する俳句を1句ご紹介しましょう。

    「鬼灯は 実も葉も殻も 紅葉哉」 松尾 芭蕉

    秋になると提灯のような袋もその中の実も、そして葉までも赤く染まりゆくホオズキの姿を詠んだ句です。

    ムスカリ

    ムスカリは英名をGrape hyacinthといい、その名の通りブドウのような青紫色の花をたくさん咲かせます。花言葉の世界では紫色が悲しみを象徴する色として扱われることが多いのですが、そのためかムスカリの花言葉は「絶望」「失望」「失意」とネガティブな言葉ばかりです。

    またムスカリは、世界最古の埋葬花、つまり死者に手向ける花としても知られています。それは実に6万年も前のこと、ネアンデルタール人が死者の埋葬時にムスカリの花を手向けていた痕跡が認められているのです。

    大切な人を失った心情に、絶望という花言葉は悲しくもよく当てはまりますよね。

    ムスカリは春に花を咲かせる植物で、花の盛りは4月となります。誕生花としては1月30日と2月26日のものとなっています。

    曲名にムスカリの花と名付けられた曲の1フレーズをご紹介いたします。

    「どうして つないだ手を離した時そのままにしたんだろう 震える体をただ見つめていた

    君がこぼした涙を受け止めることが 僕の役目なんだと小さく誓ってたのに」

    出典:ムスカリの花/作詞:常田真太郎 作曲:佐橋佳幸

    大切な人との別れを藤井フミヤさんが爽やかに切なく歌い上げています。

    ハナズオウ

    ハナズオウはキリスト教圏において、裏切りを象徴する木として知られています。

    それはイエス・キリストの弟子であるイスカリオテのユダがイエスを裏切ったことを後悔して、ハナズオウの1種であるセイヨウハナズオウの木で首を吊って命を絶ったとも言われることに由来しているといわれます。

    このことからセイヨウハナズオウは「Judas tree」とも呼ばれ、ハナズオウの花言葉もそのイメージから「裏切り」「裏切りのもたらす死」「不信仰」「疑惑」となっています。

    ちなみに黄色い花にネガティブな花言葉が多いのも、黄色という色がユダを象徴する色であるためと言われています。

    そんな不吉な一面を持つハナズオウですが、春になると美しい花を咲かせるので庭木として好まれており、3月16日の誕生花でもあります。和名は花蘇芳、もしくは蘇芳花とも呼ばれ、英名はChinese redbudといいます。

    ハナズオウの裏切りのイメージを歌詞に取り入れた曲の1フレーズをご紹介しましょう。

    「私を欺く者 王座は不穏な濃霧に侵食されていく

    仮面の下では罪が嗤う 月の杯に浮かぶ裏切りの花蘇芳」

    出典:月の杯/作詞:ASAGI 作曲:ASAGI

    こちらはヴィジュアル系バンド「D」の作品です。疾走感があり、ヴィジュアル系に馴染みがない人でも聞きやすい1曲となっています。

    【花言葉】狂気を感じる花言葉!意外な花編

    チューリップ

    春には様々な植物が花を咲かせますが、春を代表する花の1つと言えばチューリップでしょう。チューリップは英語ではTulipと表記され、和名では鬱金香(うっこんこう)とも呼ばれます。

    花言葉もチューリップのかわいらしい雰囲気そのままの「思いやり」という言葉を持ち、色別の花言葉は赤が「愛の告白」、ピンクが「愛の芽生え」「誠実な愛」など、恋愛にまつわるものが多くなっています。

    狂気的な、もしくはネガティブな花言葉があるのは色別の花言葉です。白いチューリップには「失われた愛」、黄色いチューリップは「望みのない恋」「名声」、そして紫のチューリップには「不滅の愛」という花言葉があるのです。

    「不滅の愛」というのは送る側と送られる側の関係性にもよりますが、恋人に対する執着を感じられる言葉でもありますね。

    多彩な色や模様を持つチューリップは、誕生花としても日によって色別に当てはめられています。

    チューリップ全般が誕生花なのは3月22日、白いチューリップは1月1日、1月7日、3月8日、4月8日、赤いチューリップは1月31日、3月6日、黄色いチューリップは3月13日、3月20日、5月17日、まだら柄が3月14日、班入りのチューリップは4月16日の誕生花となっています。

    チューリップにまつわる美しい詩をご紹介しましょう。

    「蜂の羽音が

    チューリップの花に消える

    微風の中にひっそりと

    客を迎えた赤い部屋」

    出典:チューリップ「閒花集」/三好達治(日本の詩人)

    この一遍の詩はチューリップの赤い花を部屋に見立てています。そしてこの作品は実は亡き人の墓前に捧げられた詩であり、蜂は死者、そして赤い部屋は死の部屋と解釈されます。

    クローバー

    四つ葉のクローバーを見つけてお守りにすると、幸運が訪れる……。そんなメルヘンチックでかわいらしいイメージのあるクローバーの花言葉は「幸運」「約束」「私を思って」、そして「復讐」です。

    いきなり物騒な花言葉が出てくることに正直とまどいを感じてしまいますね。

    また四つ葉のクローバーには「私のものになって」、赤紫の花をつけるクローバーには「勤勉」という花言葉があります。

    「復讐」という花言葉がつけられた由来には諸説ありますが、「約束」「私を思って」という言葉と表裏一体の意味を持つと考えられることが多く、約束を破られることが復讐につながるという説が一般的なようです。

    クローバーの葉のほとんどは三つ葉で、それぞれの葉は希望・信仰・愛情のシンボルとされます。そして四つ目の葉が幸運のシンボルとされ、花言葉の「幸運」につながります。

    また「約束」という花言葉は、三つ葉のクローバーがキリスト教の三位一体の説明として用いられ、人々への布教に役立ったことに由来します。

    また四つ葉よりも珍しい五つ葉のクローバーは、地域によっては見つけると病気になると言われ、忌み嫌われることもあるそうです。

    クローバーが誕生花となっているのは4月2日(四つ葉)、4月18日(赤紫)、8月29日、そして8月31日です。

    開花時期は4月から7月で、和名は白詰草、またオランダゲンゲや馬肥しと呼ばれることもあります。英語ではCloverと表記され、White Clover、White Dutch Cloverと呼ばれることもあります。

    クローバーにまつわるこんな名言があります。

    「四つ葉のクローバーを探すために三つ葉のクローバーを踏みにじってはいけない。

    幸せはそんな風にさがすものではない。」

    発言者不明の言葉ですが、個人主義の傾向が強くなりがちな現代人にとっては、心に刺さる名言です。

    アジサイ

    梅雨時期の景色を鮮やかに彩ってくれるアジサイ。青や紫などの寒色系の色が多く、雨のイメージにもぴったりで情緒を感じさせる花ですよね。

    そんなアジサイの花言葉は「移り気」「冷淡」「無情」など、冷やかさを感じさせるものばかり。他にも「高慢」や「辛抱強さ」、白いアジサイには「寛容」という花言葉もあります。

    「移り気」という花言葉は、アジサイが咲き始めてから段々と色を変化させていくことにちなみます。また「冷淡」「無情」という花言葉はアジサイのヒヤッとした印象の花色から由来するものです。

    アジサイは6月3日、ガクアジサイは7月13日の誕生花とされており、開花期は6月から7月です。漢字では紫陽花と表記され、英語ではHydrangea(水の器)と呼ばれます。

    アジサイに関してはたくさんの詩や句が残されていますが、ここではアジサイの色の移ろいやすさを詠んだ句をご紹介します。

    「紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘」  正岡 子規

    人の心の中の真実の移ろいやすさをアジサイの花にたとえた1句です。真実はその時の感情や状況によって変わってしまうという虚しさが感じられますね。

    バラ

    世界中で愛される花の女王バラ。バラの花全般の花言葉は「愛」と「美」ですが、色や部位、本数や組み合わせによってもそれぞれ別の花言葉があり、もっとも多くの花言葉を持つ花としても知られています。

    赤いバラには「あなたを愛しています」「情熱」、白いバラには「私はあなたにふさわしい」「純潔」、ピンクのバラには「上品」など、いい意味の花言葉がたくさんあります。

    しかし黄色いバラには「嫉妬」「愛情の薄らぎ」、そして黒いバラには「永遠の愛」「憎しみ」「あなたはあくまで私のもの」という狂気を感じさせるような重々しい花言葉がつけられているのです。

    黄色いバラの花言葉は黄色が裏切りや不吉を象徴とする色であることから、また黒いバラの花言葉も心や愛の闇を感じさせる暗赤色から由来するものです。

    誕生花としては黄色いバラが6月7日、7月29日の誕生花となっていますが、黄色いバラには「友情」という明るい花言葉もあるので安心してくださいね。

    バラは漢字では薔薇とかかれ、ソウビやショウビとも呼ばれます。花屋さんでは1年中美しく花開いたバラを目にすることができますが、本来の開花時期は5月から10月で、最盛期は6月です。バラ全般は6月の月の誕生花にもなっています。

    古くから普遍的な美の象徴として扱われるバラに関する名言や作品は多数ありますが、その中でも黒バラを歌詞に取り入れた1曲をご紹介しましょう。

    「棘に咲いた黒バラ 傷ついても芳しい影

    忘れきれずさまよう この愚かな私はどこへ」

    出典:太陽と黒いバラ/作詞:松任谷由実 作曲:松任谷由実

    別れた恋人に対する愛と憎しみが渦巻いているような、まさに黒バラの花言葉のような作品です。

    アサガオ

    日本らしい夏の花と言えば、アサガオもその1つですよね。そんなアサガオの花言葉は「愛情」と「約束」、そして「明日もさわやかに」です。早朝に咲くアサガオらしい、さわやかな印象の花言葉ですよね。

    またアサガオには色別の花言葉もあります。紫は「冷静」、青は「はかない恋」、白は「固い絆」「あふれる喜び」そして「私はあなたに絡みつく」。いきなり恐ろしげな花言葉が登場します。

    この花言葉はアサガオがツルを支柱などに絡みつけて成長していく様子から由来するものです。アイビーも然り、ツタやツルを持つ植物は束縛系の花言葉を持つものが少なくありません。

    白いアサガオは4月14日の誕生花で、アサガオ全般は7月6日、8月1日、8月6日の誕生花となっています。

    開花時期は7月から9月ごろ、朝顔の名前の通り朝に開花するイメージがありますが、実際に開花に影響するのは日没の時刻で、日没からおよそ8~10時間後に花が咲く性質があります。

    アサガオには牽牛子(ケンゴシ)という別名もあり、生薬としてはこちらの名前で呼ばれています。英語ではMorning glory(朝の栄光)と呼ばれます。

    ちなみに新元号の発表によって注目を集めている万葉集にも朝顔の名が入る和歌が収録されていますが、今で言うアサガオは奈良時代の末期に日本に持ち込まれたもので、万葉集の朝顔は実はキキョウのことを指していると言われています。

    最後に一生懸命にツルを伸ばすアサガオの姿を謳った詩をご紹介しましょう。

    「垣がひくうて 朝顔は、 どこへすがろと さがしてる。

    西もひがしも みんなみて、 さがしあぐねて かんがえる。

    それでも お日さまこいしゅうて、 きょうも一寸 また伸びる。

    伸びろ、朝顔、 まっすぐに 納屋のひさしが もう近い。」

    出典:朝顔の蔓「金子みすゞ全集」/金子みすゞ(日本の詩人)

    この詩を読んだ後にアサガオを見れば、必死に上を目指すその姿に勇気をもらえそうですね。

    まとめ

    狂気的な意味の花言葉を持つ花をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

    大切な誰かにプレゼントしようと思っていた花にネガティブな意味の花言葉があることを知ると、困ってしまうかもしれません。そういう場合はメッセージカードに自分が本当に伝えたい気持ちを書いて贈ると、変な誤解が生まれないで済むと思います。

    怖い意味の花言葉があっても、それぞれの花の美しさは変わりません。どんな花でもあなたの真心を込めて贈れば、もらった人にとって最高のプレゼントになることでしょう。

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