夫がモラハラをしてくるにもかかわらず、「愛している」「好き」などと言ってくる場合、どういう心境なのか理解しがたいでしょう。なかには、傷つくことを言われても、愛情表現をされることで、離婚を踏み切れないと悩んでいる女性もいます。

今回の記事では、愛情表現をしてくるモラハラ夫と、被害者でありながら離婚をしたくない妻の心理について、詳しく解説します。ひどい言動をする夫との生活に悩んでいても、別れたくない場合はどうすれば上手くいくのでしょうか？家族や友達がモラハラの被害者だという人も、この記事を参考にして相談にのってあげてくださいね。

モラハラ夫が「愛してる」「好き」と言ってくる心理

「愛してる」「好き」などと言ってくるモラハラ夫の心理・気持ちを読み解きましょう。愛情表現をされるからといって、モラハラを許すと、よりひどい状況になってしまう恐れもあります。しかし、なかには、モラハラがなくなるサインである可能性もありますよ。夫の性格や口調に注目して、どういう心境なのかを判断しましょう。

愛があるゆえにモラハラしている

妻のことを愛しているがために、モラハラをするケースがあります。小学生の男子が好きな子に意地悪をして、自分をアピールするのと同じような感覚です。この場合、夫は自分が妻を傷つけていると認識していない可能性が高いでしょう。ちょっとしたイタズラや意地悪で、あなたの気を引きたいだけなのです。

また、深層心理では、妻のことが大好きで信頼しており、妻に甘えてモラハラをする夫もいます。つまり、妻なら許してくれると思っているため、つい嫌味を言ってしまうのです。

妻を支配したいと思っている

ときに「愛してる」と言って優しくするモラハラ夫のなかには、妻を支配することを目的にしている人が多いでしょう。

人間の精神をコントロールするために、「辛さ」と「幸せ」を交互に与える方法があります。つまり、夫は妻に飴と鞭を与えることで、自分に依存させようと考えているのかもしれません。

さらに、この場合も被害者は、自分がコントロールされていると気がつかないでしょう。そのため、家族や友人など、周囲の人間がモラハラ夫から離れる手助けをする必要があります。また、この方法で妻を洗脳する人は、道徳心が備わっていない傾向があるので、接し方には注意が必要です。

妻が自分から離れないようにしている

自分の嫌味な言動や行動が、妻を傷つけていると認識しており、それを補うために愛情表現をする夫がいます。この夫は、好意を伝えれば、妻がモラハラを許してくれると思っているのです。つまり、妻のことを甘くみていると言えるでしょう。

また、この心理をもつ男性は、妻が自分のことが好きだと知っており、その好意を利用しているケースがあります。この場合、その男性は自己中心的であり、計算高い嫌な性格ですね。

妻へのモラハラを後悔している

妻を傷つけるような言動を後悔し、「愛している」などと言ってフォローしようとする夫がいます。この心理は、自分で感情のコントロールできない、怒りっぽい人に多いパターンです。その他にも、お酒に酔うと気が大きくなり、無意識にモラハラをしてしまう男性にも当てはまります。

自分の行動を後悔しているということは、他者を傷つける行動はしてはいけないと理解しているということです。そのため、しっかりと向き合えば改善する望みがあります。

モラハラ癖を直したいと思っている

妻へのモラハラをやめたいと思っていて、そのための一歩として愛情表現をしているケースがあります。つまり、妻を傷つけていることを悪いと自覚しているのです。

ストレスなどでつい妻に嫌味を言ってしまうのかもしれませんが、本人が直したいと思っているなら、元々は優しい人なのでしょう。その場合、夫のことを信じて向き合ってあげることで、モラハラ癖を直せる可能性があります。

モラハラ夫のことが好きで離婚できない女性の心理

夫に嫌味を言われるなど、自分がどんなに傷つけられても夫を嫌いになれず、別れたくないと思う女性の心理を解説します。夫婦の問題は、当事者にしか理解できないことが多くありますよね。そのため、ここで紹介するパターンに、すべての女性が当てはまるとは言えません。しかし、参考として目を通しておけば、モラハラ夫に悩む女性の相談を聞きやすいでしょう。

夫の良いところを知っている

多くの場合、交際当初からモラハラをされていたわけではないでしょう。そのため、被害者のなかには、夫の良いところを知っているため、嫌いになれない人がいます。また、2人で過ごした楽しい思い出がある場合、その記憶がよみがえり、離婚を決断できない人も多いでしょう。

このように、夫と良い時間も過ごした女性は、「いつか、あの頃の夫に戻ってくれるかも」と希望を持ってしまいます。

夫に対して愛着がある

特に、交際期間や婚姻期間が長いカップルは、相手に愛着がわき、離れがたくなる傾向があります。モラハラ被害を受けていたとしても、夫との生活に慣れ親しみ、自分の居場所だと感じてしまうのでしょう。

また、被害者のなかには、モラハラを受けることで、自分も相手に遠慮せず、本性を見せられるケースもあります。夫がモラハラをするならと言い返したり、思いやることをやめて自分の好きに生きる方もいるからです。

夫を可哀想だと思っている

自分にしか本性を見せられない夫を可哀想だと思い、嫌いになれない女性がいます。また、夫が仕事のストレスによってモラハラ行為をしている場合、夫のその状況を不憫に思う妻もいるでしょう。

特に、専業主婦の方は、夫に稼いでもらうことで生活費がまかなえます。そのため、家事をしているとはいえ、夫に対して、働いてもらっていることに引け目や感謝の気持ちがある人も多いのでしょう。

夫の性格を受け止めたい

モラハラをする性格も含めて、夫の全て受け止めたいと、大きな愛情をもつ女性がいます。女性には本来、自分よりも弱い者を守りたいと思う母性本能が備わっているからです。そのため、夫からのモラハラでダメージを受けていても、「自分がいてあげなければ」と思ってしまうのでしょう。

また、同年代の男女でも、女性は男性よりも精神年齢が高いと言われています。つまり、男性と比べてみると、多くの場合は女性の方が他者を受け入れる包容力があると言えるのです。

モラハラの頻度が低い

夫からの嫌味や怒鳴られる頻度が低いため、離婚したい気持ちよりも、夫への愛情が上回るケースがあります。ひどいモラハラであったとしても、常日頃からでなければ耐えられるのでしょう。

また、夫婦であっても、他者であるため、価値観や意見が異なることは当然です。そのため、夫婦であっても喧嘩をするのは当たり前です。喧嘩とモラハラは、精神にダメージを与えるという点で共通しています。

しかし、日常的に喧嘩をしていても、仲が良い夫婦は存在しますよね。それと同様に、モラハラを喧嘩の延長と考えられる女性にとって、モラハラは離婚の理由にならないのでしょう。さらに、モラハラの頻度が低ければ、なおさら夫を嫌うまでに至らないのかもしれません。

モラハラ夫と自分の気持ちを整理するために

夫が妻に対し、傷つける行為をしていても、愛情がどちらかにあるため、離婚を選択しない夫婦がいますよね。こちらでは、お互いの気持ちを尊重しながら、モラハラ夫にどのように対応するべきか説明します。

モラハラ夫を子供だと思う

精神的な嫌がらせをする夫を、自分の子供のようだと考えることで、嫌味などを無視できるようになるでしょう。思春期の子供は、親に反抗するものです。つまり、夫が自分に対して何か言ってきても、相手は子供だと思えば軽く流せます。

さらい、可能であれば、夫を教育をしましょう。例えば、食事を用意しないなど、反抗する思春期の息子と同じことをしてみてはいかがでしょうか？こうすることで、夫の態度が変わるかもしれません。

モラハラを短所として受け入れる

誰にでも短所はあります。夫がモラハラをすることも、1つの短所だと思って受け止められれば、よい夫婦関係を築けるかもしれません。例えば、片付けられない夫に対し、妻が代わりに整理整頓をする夫婦がいますよね。このように、お互いに足りない部分を補うことで、夫婦の絆が生まれるのです。

モラハラをしてしまう夫を受け止め、夫にも自分の短所を受け止めてもらいましょう。そうすることで、「自分ばかり我慢している」という気持ちにならず、夫のことを気持ち良く受け入れることができますよ。

自分の人生を楽しむ

モラハラ夫と離婚しないのであれば、そのことばかり考えるのをやめましょう。習い事や趣味など、自分の好きなことに没頭し、あなたの人生を楽しむべきです。

また、充実した日常を送れる人には、ポジティブなオーラがでます。ポジティブなオーラは、他のポジティブなことを引き寄せる力がありますよ。一方、ネガティブなオーラは、悪いことを引き寄せるとも言えます。

つまり、自分の気分次第で、モラハラ夫が変わるかもしれません。夫のせいで落ち込むこともあるでしょう。しかし、ネガティブなサイクルに巻き込まれないためにも、プラス思考を心がけることをおすすめします。

あなたのポジティブなオーラに巻き込まれ、夫も徐々に変わってくれるかもしれません。

まとめ

愛情表現するモラハラ夫と、被害を受けている妻の心理、ひどい夫との上手く生活する方法を紹介しました。しかし、世の中には様々な性格の人がいるので、一概には言えない部分も多々あります。

また、夫婦や家族の問題は、他者には完全に理解できません。なぜならば、日々を一緒に過ごしていない限り、すべてを知ることはできないからです。さらに、良い夫婦の定義は、人それぞれ異なるでしょう。モラハラ夫の気持ちを少しでも理解したいと思うなら、本人としっかり向き合ってみてくださいね。