もしかしたらあなたは内緒にするのが苦手ではありませんか、そしてつい言わなくても良いことまで夫に話してしまっていませんか？　正直は美徳ではありますが、全てを話すことが夫婦にとって必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。

正直に話すことであなたの良心は救われるでしょう。しかし、それは単なる自己満足になってしまってはいないでしょうか。たとえ話をすると、世の中には、妻が男性の居る場所へ飲みに行くことを異常に嫌う男性がいます。

その場合、夫の考えに合わせて私たちはそのような飲み会に参加しないようにするべきでしょうか？　女子会にハプニング的に男性が加わったら、その時点で退席するべきなのでしょうか？

私はそうは思いません。主婦もたまには羽を伸ばすべきです。しかし、主婦である妻への配慮に欠ける夫も残念ながら実際に存在します。こういう男性は「話せば分かる」というような簡単な相手ではないのです。

「ウソつきのすすめ」ではない

最初にお伝えしておきたいのは、「『ウソをつくことは良いことである』ということではない」という点です。夫婦間でウソをついてお互いを騙し合うなんてことは本来あってはいけないことです。しかし、全てが話し合いで解決できるかと言えば、そうではないでしょう。

話すことはもちろん大切ですが、時には話さないことの方がより大切になる場面も有ります。その理由をご説明いたします。

 

理由１．相手は理屈じゃない「感情論」だから

妻が飲み会へ行くのを許さない男性はカチカチの固定概念の持ち主です。「こうだ」と思い込んだらそこから動くことのない人たちです。やましいことは無いとか、他の同じ主婦の友達も参加してるとか、そういった理屈は通用しません。「ダメなものはダメ」で終わらせようとします。それ以上の議論を必要無いものとしてしまいます。
こういう相手は「なんでダメなの？」の「なんで」が存在しません。ダメなものはダメなのです。そこを納得してもらおうとする試みはことごとく失敗に終わるでしょう。

この、理由が存在しない単なる感情論である「ダメ」に対して、私たちにできるのは話し合いではありません。「ダメなものはダメ」という男性にとって「飲み会」という言葉はスイッチのようなものです。その言葉が出るだけでスイッチが入るのです。ならば、それを押しさへしなければ良いのです。

 

理由２．やっぱり浮気を心配しているから

男性は弱い生き物です。あなたが飲み会に行くというだけで、他に男がいるのではないか、あるいは飲み会の場で浮気相手が現れるのではないかと、不安でしょうがないのです。いくらあなたに強い意志が有り、責任感が有り、夫への愛が有ったとしても、男性は妻への信頼よりも自分の不安の方が勝ってしまうのです。

ならば答えは簡単です。あなたが間違いを犯さない理性的な人なのであれば、夫を不安にさへさせなければ全てが解決します。わざわざ飲み会のことを話して夫の不安を煽る必要はありません。

 

理由３．良妻賢母の幻想を押し付けて来るから

男性は妻に完璧を求めます。しかも加点方式ではなく「減点方式」で妻を採点します。妻の良い所を数えるのではなく、できていない所を数える傾向が有るのです。良妻賢母になるために、あれをしたらダメ、これをしたらダメと、様々な「ダメ」を設けてしまいます。

女性からすると「自分のことは棚に上げて良く言う」と思ってしまいますが、妻に良妻賢母を押し付けて来る男性は多いのです。特にお子さんがいらっしゃる家庭ですと、子供に良くないという理由で「ダメ」が加速します。本来ならば「今日は僕が子供の面倒みるから、君は楽しんでおいで」と言って欲しい所ですが、むしろ子供を理由に「ダメ」を強めてしまうのです。

実際に、既婚女性が飲み会に行くのは悪なのでしょうか？子供に著しく悪い影響を与えるものなのでしょうか？連日連夜飲みに出るならまだしも、たまに羽を伸ばすことがそんなに悪いことなのでしょうか？私はそうは思いません。夫が理想の良妻賢母像を押し付けて来るのであれば、それを演じてあげれば物事は解決します。「会社の飲み会」や「婦人会のイベントの打ち上げ」などの理由を用意してあげるだけで、「家計を助ける妻」「頑張ってるお母さん」というイメージに夫は勝手に満足してくれます。

 

結局は「不安だから安心したい」ということ

妻が飲み会に行くことを快く思わない理由は、男性個人の固定概念であったり、浮気の心配であったり、幻想の押し付けであったりするのです。それらが脅かされるのが不安なのです。その不安を消して安心したいがために、妻を飲み会へ行かせないようにしようとするのです。

結局は個人の「不安」という内面が原因ですから、これを話し合いで解決させようとするのはとても難しいことです。これまで夫が何十年と掛けて築いてきた考え方そのものを変える試みです。上手く行くとは思えません。ならば逆に、夫に不安を感じさせないように努めるのが正しい方法なのではないでしょうか。

 

まとめ

ウソをつきたくない、隠し事をしたくないというのは、とても美しい姿勢です。しかしそれが「ウソや隠し事をすると気が収まらないから」という、ただ吐き出したいだけの自己満足なのであれば、それは夫婦間に良いものではありません。本当に夫婦の絆を大切にしたいのであれば、言わなくても良いことは言わない方が賢明です。

毎日の生活を頑張って乗り越えて行くために、私たちにも羽を伸ばす機会は絶対に必要です。夫がそれを理解してくれなかったとしても、羽を伸ばす機会が無いままだと、どこかが壊れてしまいます。言わなくて良いことは言わないという姿勢は、自分を守り、引いては家庭を守ることになるのです。