桃の花言葉って?その由来は中国にアリ!桃にまつわる伝説、風習も紹介!
2018.02.14
中国で鬼を追い出すために使われたと伝えられている桃の花は、現在、中国だけでなく日本、韓国などの多くの国にも分布していますが、ひな祭りを飾る代表的な花でもある桃の由来は何なのか、どのような話があるのか、花言葉は何なのかについて紹介していきたいと思います。
桃の花ってどんな花?
特徴
桃の花は、葉の展開に先立って花を咲かしており、色もまた淡い桃色をしていて白から濃い紅色までナチュラルに調和しています。
また、花弁数も一重咲きの5弁花や八重咲きのものがあり、花径は3センチメートル〜4センチメートルでちょうどいい大きさでありながら可愛さを感じることができるの花です。桃の花は、時間が経てば実を結ぶようになりますが、桃の木の果実である桃は形が丸く色が様々な食用の果実であり、果肉は柔らかく、白、赤、黄色を帯びており、缶詰、ジャム、干し桃など、様々な食用材料に使われています。
桃の起源
桃の起源は中国黄河流域の上流地帯だとするんですが、この花から実る果実は表に短い毛が多く、サイズが小さいので地元の人々の間では、「毛桃」と呼ばれているそうです。
桃は、紀元前1〜2世紀頃、商人の手によってペルシャに運ばれ再びアルメニアを経由してギリシャ/ローマ地方に渡ったのが紀元前1世紀頃と呼ばれ、ここで、ヨーロッパの各国に徐々に広がっていったらしいです。桃がいつから伝来されているのか正確な記録は残っていませんが、古書に登場しているのを見れば、非常に古くからあったものだと推測されます。
特に桃の花は、私たちの先祖が最も好きだった花の一つだったんです、昔の日本では、春になるとツツジ、桜と一緒に桃の花、アンズの花が有名だったそうです。特に桃の花は、アンズの花と共に悪鬼を追い出す花でも有名だったので、主に家の周りにたくさん植えていて、一般の人々に身近な花だったそうです。
桃の花言葉
「私はあなたのとりこ」「天下無敵」「気立ての良さ」
可愛らしい桃の花には上のような三つの花言葉がありますが、なぜそのような花言葉になったのか気になる方も多いと思います。「私はあなたのとりこ」という花言葉が誕生した理由は古代の女性にとっても美のシンボルは薔薇でも桜もない「桃」だったそうです!それとはまた雰囲気の違う「天下無敵」などの意味は桃が昔から悪鬼を追い払う道具としてよく使われたからだそうですが、詳しい説明は以下のようになります。
桃にまつわる伝説や風習
桃の花と延命長寿
中国で桃は延命長寿の仙木だそうです、長寿の象徴として桃の花は、通常、天桃とも呼ばれており蟠桃、または仙桃と呼ばれることもありました。
中国で桃の木が人の命を延長することに効用があるという認識は非常に古くからありました、秦時代に神仙の法を説明した仙樂という本で桃の木から出る果物の汁を飲むと長生きできると記録されています。つまり、神仙になれるということを意味するのですが、「列仙傳」という本にも、桃を食べて神仙になったと記録されているそうです!
また、中国安徽省の黃山の伝説によると、皇帝が山中で不老不死の祈りをささげ、その山に仙桃峯という峯ができ、「黄山に登る者は必ず線道峰に立つことになる」といわれるほど有名になったそうです。
しかし、桃が延命の仙木と認識されるようになった決定的なきっかけは、西王母の天桃伝説、西遊記などの道教系の小説で不死のシンボルとして表現されてきたことに由来したと思われます。
それと一緒に、中国では男児の誕生日には、桃を持って鹿を抱えている長命の神、女の子の誕生日には、やはり桃を持っている美しい麻姑仙女の画像を祭壇にかけて祝福しています、それだけではなく、誕生日祝賀会にも桃儀という表現を使う程だそうです。
このような象徴性のおかげで桃は、古くから様々な工芸品、議長の文様要素として日常に使われており、特に神仙界の果実である天桃の模様と絵は、昏睡や婚礼服などの刺繍品に象徴なものとしてに使われました。
桃の花と辟邪
昔から桃の花には、辟邪の力があると信じていました、それに桃は悪いことや悪霊を追い払う呪物として認識されていました。
つまり、桃には逐鬼驅魔の霊力があると信じていたのです、中国の本にも「桃の木は、百鬼を消してくれる仙木である」と記録されています。「鬼に桃の木の棒」という昔の言葉も桃の木を逐鬼の象徴とされてきたことを暗示しているようにみえます、桃の対するこのような認識は古代中国から伝わって来たと思われます。
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桃花女伝説
韓国にも桃の伝説が記録されていました、桃の神通力に関する話を記録した三国遺事の「桃花女と鼻荊郞」にまつわるものがその記録の最初だったそうです。鼻荊は幽霊たちと一緒に遊んだり、幽霊の群れを指導する威力を持っていましたが、それは桃の木の神秘的な霊力を持った彼の母親「桃花女」が王の魂との間で鼻荊を産んだので、その力が息子に付与されたという話です。
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桃花洗面
古代の時は生まれたての赤ちゃんを桃の花と白い雪で洗顔させる風習があったのですが、これは子供の無病息災を祈願する目的だったということです。すなわち、桃の木の神通力が子供の命を雑鬼から守るという呪術的な目的がそのような形の民俗として現れたものです。
趙沖がかつて琴儀が孫を得た時に応えた詩に返し詩として書いたものの中で、「祈りながら桃の花で何回も赤ちゃんの顔を洗った(已呪桃花屢靧面)」と読む詩の注に「子供が生まれたら桃の花を持って顔を洗いながら祈るに「赤い花を持て(取紅花)、白い雪を持て(取白雪)」と言いながら、子供の顔を洗ってくれれば光沢が出る」と書かれています。
この風習も中国から伝来したもので、中国北齊の時に盧士深の妻である崔さんが、桃の花と雪で子供の顔を洗いながら、子供の顔がきれいになって光が出るように祈ったという記録があります。
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放枚鬼
大晦日に、民間では青い竹の葉、針桐の枝、薬母草の幹と東に伸びた桃の木の枝を集めてほうきを作っては太鼓を鳴らせ足を踏みながら門ごとにほうきで掃きながら悪鬼を門の外に追い払ったんですが、この風習を放枚鬼と言ったそうです。
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長刀
昔、一人の少年が村にある古木を切りました、ですが、そこの鬼が移ってしまって昼と夜の町中を狂人のように毎日走り回るのです。この時一人の男が桃の木の東側にある枝を切って長刀型で作り、その少年の首を斬る振りをしたらその少年は倒れて3日間昏睡状態になり、目覚めた時は何もなかったように正気に戻っていたらしいです。これはちょっとゾッとする話ですね!
桃で鬼を追い払う方法
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桃茢
桃茢は葦と桃の木の枝で作られたほうきを言いますが、桃の木で作られた呪物の中で最も古いものだといわれています。中国では、皇帝が臣下の葬儀に出席するとき驅魔の呪物で使い、また、諸侯の会盟のとき牛を捕まえるのに浄化の呪物で、また諸侯に食べ物をお勧めするとき不祥を除去するために使ったといわれています。
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桃符
桃の木で作られた呪物の中で最も有名なのがこの桃符です。
中国で桃符は、大晦日桃の木の板に葦で編んだ縄を持っている二つの神像を彫刻して大模様の柱に立てておいて、大きな虎絵を描いて一緒につけておいたことを言いこれにより、雑鬼が近づけなかったそうです。昔の皇帝は桃符を付けて山鬼を防いだという記録もあります。
「守歲」という詩には、「大門の上に桃の木を挿しておけば可笑しいだろう」という一節がありますが、「守歲」は、大晦日の夜を明かすことを意味し、正月の一日に大門の上に桃の木を差し込んで災いを追い払ったんですが、これが即ち桃符を意味しているのです。
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桃橛
桃橛は桃の木で作られた杭をいいます、これを庭に打ち込んでおくと、悪鬼や病魔が近づけなかったといわれています。また、運が逃げられないよう捕まえておくためにもこの棒はなくてはならない存在でした、例えば家の跡地や墓地に打ち込みておけば、悪霊の侵入を防ぎ、運が別の場所に移らないように掴んで置くことができると信じていました。この呪物も日本で使われていたと思われますが、その記録を見つけることは難しいみたいです。
桃と病
桃の木の主力は病魔の治療、特に狂人の治療に利用されました。
精神病については、外部からの悪鬼が侵入して頭が可笑しくなったんだと信じられたもので悪鬼が冠した、または物に憑かれたと言いました。だから東の方に伸びている桃の木の枝で狂人を殴って悪鬼を追い出す風習が生じましたが、この風習のせいで狂人が殺される例も多かったそうです。
東の方に伸びた桃の木の枝で患者を暴行することは退鬼法の中で殴打法といわれますが、鬼は喜んで迎える存在ではないので、どのような方法を使ってもこれを退治しなければならないと思っていました。その方法には、消極的な方法と積極的な方法があったのですが、その中で積極的な方法に対応する殴打法は、悪鬼を敵対視して積極的な方法で追放するものです。
まとめ
いかがでしたか?
桃って日常で普通に見れる可愛い花と美味しい果物というイメージしかなかったんですが、こうやって狂人から悪鬼を追い出すために道具として使われたり、幸運が立ち去らないように守るために置いてあったりなど、古代の中国から様々な目的で使われました。今でも中国の家には桃の花が置いてあると伝われていますが、桃のこのような効果を今始めて知った方々はこの機会に家においてみるのはいかがでしょうか?可愛い見た目と素敵な香り、そして悪鬼まで追い払ってくれるので一石二鳥だと思いますよ!